Computed Tomographyの略語であるCTは、コンピュータ断層撮影法のことをいいます。CT検査は、骨や臓器を比較的短時間で画像化することができ、検査時の痛みもないため、たくさんの医療現場において使用されています。
このページでは「心臓CT検査」、「CT検査の課題」、「CT装置がめざすもの」というテーマに分けて、一般の方向けに詳しくご紹介しております。
CTとは、Computed Tomography (コンピュータ断層撮影法)の略語です。
CT装置はX線を放出する管球とその検出器が対となり、患者様の体の周りを回転してデータを収集しコンピュータで断層画像に再構成・表示します。
患者様が入るCT装置の円筒部分の外側のドーナツのような部分の内部には、通常1対のX線を発生する 管球と、 管球から放出され人体を通過したX線の量を測定する検出器が向かい合うように位置しています。
患者様の体の周囲を回転しながら連続的に 管球から放射されたX線を、反対側の検出器で捕らえ、コンピュータで体を“輪切り状態”にした断面像を構成することで患者様の体の中の構造を詳しく調べることができます。
最近のCTでは、検出器の数を増やすことと、らせん状に身長方向に連続して撮影することで(ヘリカルスキャン)、一度に早く、たくさんのX線データを処理することができるようになりました。また断面像だけではなく3次元の立体画像を構成することが可能になりました。
CT検査は、骨や臓器を比較的短時間で画像化することができ、検査時の痛みもない為、現在では、たくさんの医療現場で患者様の診断に使用されています。
頭部CT画像 胸部CT画像 腹部CT画像
胸腹部CT画像
また、通常の撮影では見分けることが難しい病変や小さな病変を、より詳しく検査するために、造影剤を腕の静脈から注入することもあります。(造影CT検査)
また突然激しい胸痛を発症した場合に、早く適確な診断と治療をおこなわないと非常に危険な胸部3大疾患(心筋梗塞、肺塞栓症、大動脈解離)についても、近年の高性能CTでは、造影剤を用いて迅速な診断を行うことができるようになりました。
心臓には3本の血管(冠動脈)があり、血液を送り出す為に常に動いている心臓(心筋)に酸素や栄養を供給しています。
冠動脈がコレステロールや老廃物で詰まると、心臓に十分な酸素や栄養を供給することができなくなり、ひどい場合、心筋梗塞など重篤な病気をひきおこします。
日本国内では、心筋梗塞などの心疾患による死亡者数はがん(320,358名)に次いで第2位の159,625名(平成16年 厚生労働省 人口動態統計データ)であり、年々、増加傾向にあります。
これは、心疾患発現リスクを高める肥満など生活習慣病の潜在患者の多さや、心臓検診の普及の遅れが要因の1つとも言われています。
一方で、心臓検査はカテーテルなどによる侵襲的検査*が一般的で、健康な人の検診に利用するのはまだまだ難しいのが現状です。しかし、近年では高性能なCTの登場により、患者様の負担の少ないCTによる心臓検査が増えています。
心臓の血管狭窄の有無等を確認する為に、手首や大腿部より、1mm程度のカテーテルと呼ばれる主にナイロン製のチューブを、大動脈を経由して心臓の冠動脈に留置し、造影剤を注入して冠動脈の狭窄等の異常を検査します。
通常、検査後1日程度の安静を必要とし、年間約100万件近い検査が行われています。
CTでの心臓検査は、造影剤を静脈から注入し、冠動脈の状態を撮影します。高性能のCTでは、数秒以内で心臓全体の画像を取得することができ、検査の為の準備の時間を入れて15分~20分程度で終了します。通常であれば、検査の為の入院は必要ありません。

CTによる心臓の画像 3本の冠動脈が描出されています。
しかし、CT検査にもいくつか課題があります。
それは、X線の照射による放射線被ばくと、心臓のように拍動する臓器を撮影する場合の撮影スピードと撮影時間中の息止めです。
X線被ばく
CTは、X線(レントゲン)を発生する管球を体の周りを回転させることで撮影します。
しかしながら、早くたくさんの情報を得るために、通常のレントゲンの機械と比べて、比較的多量のX線を放射します。(5倍から10倍程度 腹部一般撮影と比較した場合:検査状況によって異なります。)
また人間が通常生活をしていて1年間に浴びる自然放射線の量に対し、CT撮影では数倍~10倍の放射線を、一回の撮影で被ばくします。
従って複数回のCT検査が必要な患者様や成人と比べて放射線感受性の高いお子様などは注意が必要です。
また放射線感受性が高いといわれる乳腺、生殖腺、甲状腺などが撮影範囲にある場合も注意が必要といわれています。
撮影スピードと撮影時間中の息止め
通常のカメラでの撮影でも、動いている物体を取る為には速いシャッタースピードと高感度のフィルムを必要とします。従ってCTを含めレントゲン撮影などの診断機器もカメラと同様、心臓や胸部など動いている臓器を撮影することが苦手です。
CTも非常に早いシャッタースピードで撮影をしないと、心臓など常に動いている臓器は画像がぼけてしまい、小さな病気を見つけることが難しくなります。また胸部や腹部の撮影も、呼吸することにより常に動いているので、撮影に際しては患者様にしばらくの間、息を止めていただく必要があります。
しかしながら、お年寄りやお子様、また肺気腫や肺線維症などの呼吸器に病気を患っている患者様や重篤な症状の患者様には、数秒にわたる息止めはかなり負担となります。
理想のCT装置とは、より早い撮影スピードと、より少ないX線被ばく線量で撮影ができる装置です。例えば1秒以下の速さで胸部全体の撮影ができ、さらに通常のレントゲン撮影装置と同程度のX線被ばく線量(腹部単純撮影時)で撮影できること。また、拍動する心臓の正確な画像を得るために、一回の心拍以下の速いスピードで撮影できることです。
胸部全体を1秒以下で撮影できることは、患者様に意識して息止めをしていただくことがほとんど不要となり、お年寄りやお子様、呼吸器系統に病気を患っておられる患者様には、特にメリットがあります。また、全身の撮影においても従来装置の半分以下の5秒弱で撮影することができれば、より迅速に全身の診断が必要な救急の患者様の撮影や、鎮静剤が必要なお子様、及び一定の体位を保つことが難しい患者様にもより役に立つことができます。
“超高速撮影と低被ばくで負担の少ないCT検査を”
シーメンスは、常に“患者様に優しい医療”を開発コンセプトにしています。
シーメンスは、CTやMRIなどの医用画像診断機器を通して世界中で医療の発展に貢献してきました。世界で初めてX線管球を2機搭載したCT装置の開発など、シーメンスのひときわ独創的で革新的なテクノロジーは、現代の医療に数々の変革をもたらしています。そして間もなく日本に登場する最新の2管球搭載CT装置は、“患者様にとって極めて負担の少ない”CT検査を可能にしました。従来装置と比較して非常に速い撮影速度を誇るこのCTは、胸部や心臓のような拍動する臓器の撮影においても、これまで必要とされていた息止めをほぼ不要にします。また、CT検査による放射線の被ばく量を、大幅に抑えることにも成功しました。
シーメンスが目指すのは「患者様に優しい医療」。様々な不安を抱える患者様一人ひとりが心から安心して受けられる検査を実現したい。その思いこそ、シーメンスが革新的なイノベーションを生み出すための原動力です。
