2010年11月28日~12月2日に米国シカゴにて開催された画像診断に関する世界最大級の学会RSNA(北米放射線学会)において、奈良県立医科大学放射線医学教室・助教 三浦幸子先生と、シーメンス・ジャパン株式会社リサーチ&コラボレーション部・チーフサイエンティスト 伊藤俊英の共同研究が“Research and Education Foundation Support”を受賞しました。このアワードは研究資金を助成する価値のある優れた研究に対して贈られる、非常に栄誉ある賞です。
発表者:
奈良県立医科大学放射線医学教室 三浦 幸子 先生
東大阪市立総合病院放射線科 岡田 博司 先生
奈良県立医科大学放射線腫瘍医学教室 本津 茂人 先生、長谷川 正俊 教授
奈良県立医科大学放射線医学教室 吉川 公彦 教授
シーメンス・ジャパン株式会社 伊藤 俊英
発表演題名:
Early detection of radiation pneumonitis by lung perfused blood volume imaging with dual energy CT
研究内容:
放射線肺臓炎(radiation pneumonitis)は肺がんの放射線治療時によくある合併症で時に重篤な呼吸器障害を引き起こします。この肺臓炎が進行すると肺の器質的構造が破壊され、最終的には肺実質が線維化し、拘束性肺障害を引き起こします。この放射線肺臓炎は放射線治療から2~6ヶ月程度の時差をもってCT画像上にその変化が現れると考えられていますが、その変化の出現時期とその程度はさまざまです。
奈良医大の三浦先生とシーメンスの伊藤との共同研究では、放射線治療によりダメージを受ける肺実質とその血流量変化にはなんらかの関係があるのではないかとの仮説をもとに、放射線肺臓炎の出現時期と肺血流量の関係を、研究用のソフトウエアを用いてSOMATOM Definition Flashのsyngo Dual Energy, Lung PBVアプリケーションを使って調べました。
本研究のために日本国内において新たに開発された研究用ソフウエアによってLung PBVから肺血流量の定量化をおこない、同一患者の放射線治療前、治療中、治療1週間後、治療1ヶ月後のそれぞれのLung PBVの経時的変化を調査した結果、これまで考えられているよりも放射線肺臓炎が早期に出現する症例が多く存在すること、そして放射線肺臓炎が出現する前段階として顕著な肺血流量の上昇が認められることを発見しました。放射線肺臓炎の出現予測と早期治療の可能性を示唆する研究であると考えられます。
シカゴで開催された北米放射線学会(RSNA)において発表されたこの研究結果は高い評価を得ることができ、Research and Education Foundation Supportと呼ばれるアワードを受賞しました。
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